レッスン代金から考える
オンライン英会話を始めようと思ったのは、その料金の安さからです。
毎日30分程度話せて、月額だいたい6000円くらい。
もしこれが日本の通学の英会話教室なら、週に一回でグループレッスンで、月額1万円は超えるところ。
こんなに安いのは、多くのオンライン英会話スクールのオフィスが地代の安いフィリピンにあり、講師は人件費の安いフィリピン人で、テレビCMをしないことで広告費をかけないから…なんですが
ふと思ったわけです。
1回30分のレッスン代が、だいたい200円として
講師の給与が、月給制ではなく歩合制だとしたら、たぶん半分は運営側の取り分で半分が講師の収入、それくらいの割合だと思います。
30分、日本人に英語を教えて100円。
人気のある講師で、予約がびっしり入っていたとして、1時間で200円。
一日に5時間教えたとして日給1000円。
…………うわあ。
東京なら、一時間のアルバイト代金です。
先生とフリートークしていて、
日本に行ってみたい、桜を見たい、という先生がとても多いです。
でも、もし日本に来たとしても。
一回地下鉄に乗ったら、1時間のお給料がとんじゃうんだ。
のどが渇いてコンビニでペットボトルで飲み物を買おうとしたら、1時間弱のお給料が無くなっちゃうんだ。
富豪ではない、ごくごく一般の東南アジアの人が、日本へ来るということは、とても大変な事なんだなあ。
あんなに英語がペラペラと話せるのに。
フリートークで、私に、「旅行は好き? 今まで行ったことのある国は?」と尋ね
私が少ないけれど、無いわけではない旅行したことのある国を答える。
そして私も「あなたは?」と聞くと
たいていの先生が、フィリピンから出た事が無いという。
でも、日本に行ってみたいな、と。
JETRO(日本貿易振興機構)というわりと有名な機関があり、そこのHPに
が出来るページがありました。
そこで日本とフィリピンのGDPの比較をみてみたのですが
日本は、フィリピンの約13倍。
日本はなんて豊かなのだろう。
けれど、学校では適当に試験の前だけ一夜漬けで勉強をして、テストが終わったら、学校を卒業したらどんどん忘れて。
ふと、恥ずかしくなった瞬間でした。
画面の向こうの先生は
とても豊かな国に住んでいながら、自分たちよりはるかに英語が出来ない日本人を見て、何を思うのだろう。
100円の価値の違いを感じるとともに
そんな事を考えました。
ただ、安いからやったー、と喜ぶだけじゃなくて(そりゃ、嬉しいしありがたいことに違いはないけれど)
その裏側にある、世界の格差もちゃんと知って、感じていたい。
マニラのホテルに泊まった友人が、ホテルの前にはストリートチルドレンがいっぱいいた、と言っていた。
親の転勤のためにフィリピンで子供時代を過ごしたという同僚は、ときどき銃声を聞いた、と言っていた。
学校に通えない子供のために、毎月数千円をフィリピンのNGOに寄付している知人もいます。
私が出来ることは、なんだろう。
フィリピンにいる、さまざまな人とネットで繋がりながら、会話をしながらふと思う瞬間があります。
そしてそんなことを考えるきっかけをくれた、オンライン英会話スクールに
ありがとう。